イントロダクション

遠い星かも知れないし、遠い未来かも、はたまた過去もしれない《世界》と呼ばれる場所。

世界の最果てにある小国・伊佐奈神国いさなしんこくは、伊佐奈と呼ばれる王神と神母しんぼ軍巫女いくさみこといった生きる神々が治める宗教国家であった。近代化の波が押し寄せる中、友好国であった《世界》の覇者・帝国から近代的な政治や軍備も輸入され「神・軍・文」による独自の統治体制を構築し、列強の末席に連なったのである。

元々国土・資源に乏しい神国は、肥大していく軍部の強権を抑えられず、外海に遠隔領地を見出す侵略の戦争へと進んでいく。神々の存在も形骸化し、もはや軍国となった神国に内部から歯止めをかけられる存在もなく、最果ての小国は次第に《世界》の脅威となっていったのである。

神国がここまで南洋の海で増長できた要因の一つに帝国の後ろ盾があったことは否めない。しかし世界同盟の声を帝国も無視できず、遂に神国に宣戦布告。短くも熾烈な南洋の戦役に突入したのである。

登場人物

伊佐奈神国

《世界》から失われつつある「呪術」が残る最果ての小国。軍事化により近隣国に侵攻、遠隔領地政策を進める。

城崎 櫻榮しろさき おうえい
演・さとうあやな

伊佐奈神国軍第一級陸士。レガン島本部隊長。
陸将・城崎雄櫻の娘。剣戟の達人。
旧知であるヴァン・リヒテルムと対峙することに胸を痛めている。

七瀬ななせ
演・月宮果玖夜

軍巫女。巫女神の中では最も位の低い七の宮の生まれ。
平安を祈り、戦争を止めたいと考えている。
人の心を覗くことができる。

六実むつみ
演・青梅しあん

軍巫女。六の宮の生まれ。
好戦的かつ直情的な性格だが、常に宮神としての孤独に苦しむ。
七瀬同様、人の心を覗くことができる。

佐々木 信ささき しん
演・織田佳祐

伊佐奈神国軍第七級陸士。レガン島本部雪代班所属。
神国で幼学校の教員をしていたが、徴兵され長い事レガン島に赴任している。

九重 蓮ここのえ れん
演・渡邉怒濤

伊佐奈神国軍第七級陸士。レガン島本部雪代班所属。
信と同じく徴兵により入営。神国に複雑な心情を抱いている。

加藤 榮之助かとう えいのすけ
演・天野順一朗

伊佐奈神国軍第三級陸士。レガン島本部副隊長。
兵学校校長より転任。ふたりの娘がいる。

雪代 平蔵ゆきしろ へいぞう
演・寺尾大樹

伊佐奈神国軍第六級陸士。レガン島本部雪代班班長。
佐々木、九重の上官。

鬼頭 幸太郎きとう こうたろう
演・不動湧心 / 結城ゼミナール(Wキャスト)

神国内務卿。国内行政責任者。
伊佐奈と軍巫女を本土から逃しつつ、終戦工作に奔走した。

帝国

皇帝が統治する大陸国家。圧倒的な軍事力で《世界》をリードする。騎士道と茶に誇りをもつ国。

ヴァン・リヒテルム
演・岡田ゆう太

帝国軍第一司令部軍団長。
剣豪として知られる。かつて剣戟大会で櫻榮と出会った。

サチ・オーウェンシュタイン
演・中村四喜和

帝国軍第一司令部上級大佐。
ヴァンの側近。ヴァンに対して上官以上の想いを寄せる。

皇帝
演・久米ぴりか

帝国の元首。
神国の神・伊佐奈の力を手に入れたいと考えている。

ヴォルフ・ヤーケンハイツ
演・山下hPa

帝国軍参謀本部特命官。
戦後の神国に派遣され、内務卿・鬼頭の取調を担当する。

レガン島

南洋諸島にある神国の遠隔領地。

ラゥラ
演・今村亮太

レガン島の住人。
妻と生まれたばかりの赤ん坊がいる。佐々木信と親しい。